問題解決療法(PST)とは

問題解決療法とは、数多くある心理療法の中でも認知行動療法の一つに分類される介入方法です。問題解決過程と呼ばれる心理プロセスに基づいて、さまざまな治療的技法をパッケージしたものです。広くは問題解決技法(Problem-solving technique)とも呼ばれます。

この療法の理論的背景は、社会的問題解決と呼ばれ、日常生活の中でストレスを感じるさまざまな問題に対して、その問題を取り扱うのに有効な解決策の選択肢を見つけ出し、それらの中から最も有効な手段を見つけ出そうとするプロセスと定義されています(D’Zurilla & Goldfried, 1971)。

さらに、この社会的問題解決における問題とは、なんらかの障害により、そうありたいと思う状態(What I want)と現在の状態(What is)が不一致であり、効果的な解決策(コーピング)がとれない状態のことです。

そして、効果的な解決策とは、ポジティブな結果(ベネフィット)を最大にし、ネガティブな結果(コスト)を最小にするように、問題に対処する(目標を達成する)ための取り組み(コーピング)のことです。

PSTの5つのステップ

認知行動モデルでは、問題場面において、個々人が持っている認知的スキルや行動的スキルが情緒的反応や心理的適応を引き起こす媒介的役割を果たしているとされています。

D’ Zurilla & Nezu(1982)によれば、効果的な問題解決を行うには、相互的に作用する5つの認知行動的スキルが必要であるとされます。PSTは5つの認知行動的スキルを効率的に学習させることを目的とした認知行動療法の一技法です。

PSTは、図1-1に示したように、ステップ1「問題解決志向性」、ステップ2「問題の明確化と目標設定」、ステップ3「問題解決策の産出」、ステップ4「問題解決策の選択と決定」、ステップ5「問題解決策の実行と評価」の5つのステップから構成されています。